私は、中華料理チェーン店で働いて、10年が過ぎました。
いろいろなお客さんが来店されましたが、99%くらいの方は、ごく普通のいいお客様でした。
1%くらいは、周りに迷惑をかけるような人、怒鳴り散らす人、酔っ払って寝てしまう人、吐いて、倒れてしまった人。
今日は、私が今まで出会ったお客様のお話をしようと思います。
☑この記事の内容
・思いでに残るお客さん
・怒られたことから教訓を得られたこと
・困ったお客さん
お客さんについて興味がある方、よろしければご覧ください。
思い出に残っているお客様
これだけ長くやっていると、実は悲しいことがあるのです。
なんだと思いますか?
いつも来店されていたお年寄りの方が、だんだん来なくなることです。
定期的に来店していた若い方も来なくなると最近来ないな~とは、思いますが、引っ越したかほかにいいところを見つけたかもあるのでそれはしょうがないことですね。
60代くらいの上品なお客様
始めた当時、60代くらいのとてもお上品でおしゃれな女性のお客様が、週の半分くらい来店し、生ビールと炒め物を注文していました。
60代くらいですとお化粧もしない方もいるのですが、その方は、お化粧し、マニュキアもつけ、イヤリングやネックレスもつけて、高そうなお洋服を着て、いつもおしゃれだなと思いながら接客していました。
いつのころからかご来店がなくなり、ある日、40代くらいの女性と久々にご来店。
生ビールおひとつとお食事を注文されたので、私は、迷わず60代くらいのお客様の前に「お待たせしました。」とビールを置きました。
すると、40代くらいの方が、「ようこさんはだめよ。」とビールを手にしました。
どうやら60代のようこさんは、認知症になっているようでした。
以前のようにお上品でしたが、少し違っているように見えました。
おそらく若い方は、娘さんだと思われます。
それっきり、私が会うことはなくなりました。
毎日ご来店のおじいちゃん
次は、毎日ご来店のおじいちゃん。
生ビールとおつまみを注文。
冬は、鼻水を垂らしながら、身なりは、あまりきれいではありません。
そのおじいちゃんもある時からぷっつりと来なくなりました。
このおじいちゃんのように毎日でなくても定期的にご来店してくれたお客様、久々に会うと入院していたとか怪我をしていたとかお話してくれるのです。
だんだん来なくなるお年寄り
「また来るからね。」と言っていたにこにこしたおばあちゃんは、もう来なくなりました。
このおばあちゃんは、猫舌でラーメンを移す小丼がないと熱いラーメンを食べられなかった方。
「いつも元気だね~」と言ってくれた白いあごひげをはやしたおじいちゃんも来なくなりました。
車いすの女性も最近来店していません。
杖をついてやっと歩くおばさんも来ていません。
初め、おばあちゃん、車いすのおじいちゃん、娘、幼稚園くらいの子供2人で来ていた家族は、そのうち、おばあちゃん、車いすのおじいちゃんの二人で来るようになりました。
孫たちが大きくなって学校があるので二人で来るのだろうなと考えていました。
そのうち、、、おばあさん一人だけで、、、。
また、おばさんと手押し車のおじいさん、、、二人で来ていたのですが、ある時おばさんのみで。
「おじいさんは、もう歩けなくなった。」と言っていました。
93歳の元気なおばあちゃん、、、天国でもコーラを。
そして、さらに別の方、、、
常連さんで、週3回くらいご来店の93歳の腰の曲がったおばあさんと70代くらいの男性。
93歳なのに歩いてこられます。
そして必ずコーラを注文。
昨年の暮れに70代の男性が一人で来店。
おばあさんは、アパートで、一人で亡くなっていたと話してくれました。
悲しすぎる、、、。
一番最初に怒られた話
まだ、始めて間もないころ、60代くらいの男性のお客さんに「生ビール」と注文されたので、生ビールをお出ししました。
しばらくして、「味噌ラーメンまだか?」と聞かかれたので「ご注文いただいておりませんが。」と答えると「注文したじゃないか!」と。
「店に来てビールだけ飲んで帰る客がいるか!」と怒鳴られ、「もういい!」と言って帰られました。
「味噌ラーメン」と言ってなかったのにと思いましたが、きっと言っていたのですね。
店内が混んでいてざわざわしていたので聞こえなかったのでしょう。
数日後、そのお客さんが来店されました。
私が真っ先に「先日は申し訳ございませんでした。」と謝ると「いいよ、いいよ、俺もちゃんと言わなかったかもしれない。」と。
有難いことに許していただけました。
ミスして得たこと
それからは、注文を取る時にお客様にビールと言われたら、「まず、ビールですね?」とまずを言うようにしたら、ミスは、しなくなりました。
かっこいいお客さん
ある日のこと、サッカーウェアーを着た小学生くらいの男の子が一人で来店し、餃子を一皿だけ注文して食べていました。
それを見た隣に座っていたちょっと怖そうなお兄さんが、「この子にご飯出してやってよ。俺の伝票につけておいて。」と。
人は見かけによらないってこのことですね。
「食え食え!」とお兄さんに言われその子は、「不思議そうな顔をしながらもありがとうございます。」と食べました。
お客さんが味方になってくださった
次は、常連さんのお話。
いつも一人で来店の60代くらいの常連男性の話。
その日は、とても忙しい日で、下げ物をした後のテーブルの拭き方が甘かったようで、そこに座った男性のお客様が、テーブルについてクレームを言い始めました。
私は、「申し訳ございません。」と謝り、再度拭きなおしたのですが、まだ文句を言っています。
それを聞いていた常連のお客様立ち上がってそばに来て、「てめえ、いい加減にしろよ!ちゃんとやってるだろう!うるせんだよ!」と手を出しそうになったので、その手を止めました。
私の見方をしてくれたのは、非常に嬉しかったのですが、ケンカはだめですね。
困ったお客さんの話【3人紹介)
施設で過ごしているおじいちゃん
まず一人目、私は、初めて見たお客さんで、70代くらいのおじいさん。
カウンターの端に座り、お酒を飲みながらおつまみを食べていました。
お酒もかなり飲んでいて、酔っているようでした。
その後、急に吐いて、椅子から落ちて、床に倒れました。
救急車を呼び、搬送されました。
後にそのおじいさんが入所していたという施設の方が、お菓子をもってお詫びに来られました。
施設で、お酒が飲めるかどうかは、知りませんが、きっと誰にも邪魔されず飲みたかったのだろうなと思いました。
私もほかの従業員も言われるがままにお酒をお出ししたので、このようになった。
反省しました。
それからは、余計な事かもしれませんが一人でご来店で飲みすぎている方には、「ずいぶん飲まれているようですが大丈夫ですか?」と聞くようにしています。
「余計なお世話だ!」っていう方もいますが、たいていの方は、自分の量をわきまえていらっしゃるので、「まだ、大丈夫だよ。」と言ってくださいます。
セクハラのお客さんは、出入り禁止
次に二人目、50代くらいの常連さんですが、高校生や大学生のアルバイトの女の子にプレゼントをもって来たりデートに誘うなどのセクハラで入店禁止人物にされました。
いろいろクレームを言ってくるおじさん
3人目は、ここ数か月で常連さんになったお客さん。
ある日、呼ばれていくと、お猪口に黒い点のようなごみが入っていました。
「すぐ取り替えます、新しいお酒もお持ちしましょうか?」と聞いたのですが、「いいよ、いいよ、お猪口だけ変えてくれればいいよ。」と言われたのでその通りに。
私は、それで済んだつもりでいました。
ところが、お支払いの時レジで、別の店員が対応したのですが、そのクレームを再度言い始め、前回来た時もレモンサワーのグラスが汚れていたと怒鳴り始めたのです。
前回レモンサワーを提供したのは、その店員。
「申し訳ございませんでした。」と謝罪しても収まらず、責任者も出てきて謝り、それでもまだ言い続けていました。
そして「またやったら、保健所呼ぶぞ!」と。
そしたら、その店員は「どうぞ保健所でもなんでも呼んでください!」と。
周りのお客様は、びっくりしてその光景を見ていました。
さんざんわめいて気が済んだのか、やっとお帰りになりました。
その後、来店された時、レジで対応して「保健所でも呼んでください!」と言った店員が私に「注文取りに行って。」と頼んできました。
私は、「先日は、申し訳ございませんでした。今日のグラスは汚れていませんから。」と笑顔で言ってお出しました。
するとそのお客さんは。「そうか!」と上機嫌で、先日わめいていたことは、まるで覚えていないような感じでした。
クレームの内容をきちんと聞く
このお客さんは、その後、従業員が気を付けるお客さんになっていますが、きちんと対応すれば問題は起きていません。
このようにトラブルを起こしたお客さんは、また来るとビビりますよね。
私もそのようなお客さんに接客した時、嫌な気分になります。
しかし、なぜ、お客さんが文句を言っているのかを冷静に考えると、こちらに落ち度がある場合と単なるわがままの場合があるのではないかと考えられます。
本当に理不尽なことを言うお客さんは、出入り禁止にしてもいいと思います。
終わりに:私が接客で気を付けていること
もし自分が相手の立場だったらと思いながら接客しています。
どんなに忙しくても、文句を言われても笑顔で対応するようにしています。
なぜか、、、だって自分がふてくされた顔で接客されたらいやですから。
一生懸命やっていることをわかってくださるお客様もたくさんいらっしゃいますので、今まで続けて来られたのでしょう。
私は、薄利多売のチェーン店で働いているので、いろいろなお客さんがるのは当たり前のことだと思っています。
明日は、どんなお客さんが来るでしょうか?
お読みいただきありがとうございました。
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